2007年06月16日

1泊5250円の誘惑 四季倶楽部42都道府県に

 「365日いつでも1泊朝食付きで5250円」。宿泊と食事を分離したホテルサービス「四季倶楽部」のコンセプトだ。三菱地所の子会社、四季リゾーツが展開する「四季倶楽部」はさらに提携を広げ、42都道府県での営業を始めた。

 四季リゾーツは2001年、三菱地所の社内ベンチャー事業としてスタートした。企業の保養所に、一般客を泊めるという新ビジネスを立ち上げた。今では既存のホテル・旅館の経営も引き受け、取り扱い宿泊先を広げている。

 「サラリーマンが気軽に家族旅行に出かけられる料金」を目指して事業を立ち上げた。夫婦・カップルで1万500円といううれしい価格設定のゆえんだ。

 布団の上げ下ろしや部屋での食事などのサービスを省いてコストを切り詰めている。靴は靴箱に自分でしまう。ビール・ジュース類は自動販売機で買う。ただし、一般的なホテルとは異なり、価格はコンビニエンスストア並みだ。

 繁忙期や休日前日でも料金が変わらない。リゾート地のホテルや旅館は混み合う時期には料金を高く設定するのが普通だが、「四季倶楽部」は固定料金だ。1回の旅行でかかるコストが単純計算できるので、予算を立てやすい。

 夕食は別途、2000〜4000円程度支払えれば、提供してもらえる。所有する企業が優先される予約枠があるものの、予約日まで1カ月を切った時点でオープンになる。

 新たに建設するのではなく、既存の施設をリニューアルして使うので、追加の投資額を抑えることができる。結果的に宿泊費を割安に設定できるわけだ。

 100%近い稼働率を誇る人気の宿が「強羅スタイル」(神奈川県箱根町)。鉄筋コンクリートのまだ新しい建物内に足を踏み入れると、イタリア製の応接セットが鎮座するロビーは高級ホテルを思わせるたたずまいだ。夕食には会席料理(4200円)を選べる。周囲のホテル・旅館の一般的な料金の半額程度という安さだ。

 箱根登山鉄道の強羅駅から徒歩5分という好立地だ。大手損害保険会社の役員用保養所を借り受けた。部屋からは箱根連山を望む。大浴場には天然温泉を引き込んでいる。

 旅行好きなシニア層の利用者が多い。宿泊者の4割程度が中高年層だという。しかも3割程度がリピーターになっている。

 駐車場には「メルセデス・ベンツ」をはじめとする外国車、高級車もしばしば。料金の安さに比べて豪華な設備や、部屋への立ち入りが少ない点、透明性の高い価格設定などに好感を持つ高所得層が好んで泊まりに来る。

 契約に当たっては、優良な施設を選んで運営を引き受けている。バブル期以降に建てられたような比較的新しい施設を主に手がける。各部屋にトイレを備えていないような古い造りの施設は避けている。

 日本旅館のいたれりつくせり流のサービスを好む人もいるが、かえってうっとうしいと感じる人は少なくない。施設だけを利用したいという向きには「四季倶楽部」のシステムは使い勝手がいい。

 食事がセットになっていない点も好評の理由。地元の人気店で、好きな料理を楽しみたいという旅行者には、宿のお仕着せ料理がありがた迷惑だったりもする。食事を重くしたくない人にとっては、豪華すぎる夕食込みの宿泊料金は「食事を減らして、その分を割り引いてもらえないものか」という気にもなる。その点、外での食事を選べる「四季倶楽部」は旅の選択肢が広がる。

 6月から42都道府県にネットワークが広がった。日本航空(JAL)グループのJALツアーズとJALセールスと提携し、「四季倶楽部」の一部と航空券を組み合わせた低価格の宿泊プランの提供も始めた。第1弾として羽田空港発で九州地方の宿泊施設に泊まる平日限定のプランを売り出した。価格は1泊朝食付きで1人2万8000円。沖縄を除く九州6県から9つの宿を用意した。夕食は3150円追加で頼める。宿泊も1泊5400円プラスで延泊できる。

 1泊朝食付きで1万500円の「四季倶楽部プレミアム」も提供している。旅館の特別室やホテルのスイートルームなどに泊まれるプランだ。休前日料金、季節料金がないのは通常の「四季倶楽部」と同じ。宿泊人数による料金差もない。

 群馬県水上温泉の「ひがきホテル」では、貴賓室を提供。最上階の角部屋で12畳+10畳+8畳にジャグジー露天風呂付きの贅沢な部屋だ。霧島観光ホテル(鹿児島県)、東京第一ホテル オキナンワグランメールリゾート(沖縄県)など計9旅館・ホテル(2007年5月末現在)が参加している。

posted by cresc. at 01:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | ホテル業界
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